生活習慣病

高血圧症

血圧とは、心臓から送り出される血液が、血管を通る際に血液壁に生じる圧力のことです。 
心臓が収縮して、血液を押し出した瞬間が最高血圧、収縮後に拡張したときが最低血圧で、高血圧とは、血管に強い圧力がかかっている状態を指します。 
血圧が高い状態が続くと、血管が硬くなりいずれ動脈硬化へと至ります。
また、生活習慣病全般に言えますが、特有な自覚症状がないため深刻な状態となるまで気が付かないことが多く、心臓病や脳卒中などの合併症のリスクを高くします。

脂質異常症

少し前までは高脂血症と呼ばれていました。血液中の脂質(コレステロールや中性脂肪)が多い為に引き起こされる疾患です。 
コレステロールは、身体に必要な成分ですが、必要以上に増えすぎると血管や組織を傷つけ、動脈の壁にくっついて血管を硬く狭くしてしまいます。そのため、高血圧症と同様に心筋梗塞や脳卒中などの原因となります。 
脂質異常症の主な原因は食べ過ぎや偏食、喫煙、飲酒、運動不足、肥満やストレスなどが挙げられます。
栄養過多の現代の私たちではあまり珍しくない病気ですが、自覚症状に乏しいため健康診断などで初めて指摘されて気付くという点も注意が必要です。

糖尿病

内分泌の役割が何かの原因で機能しなくなることで発症します。 
糖尿病はインスリンの分泌や働きが低下することで、血液中のブドウ糖(血糖)が増え、高血糖の状態が続き、それが原因でさまざまな合併症を引き起こします。 
膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが、血液中のブドウ糖を細胞の中に取り入れる役割を果たしていますが、このインスリンの量が不足したり、働きが悪くなったりすると、ブドウ糖が細胞内に取り込まれなくなり、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が高くなってしまいます。
進行すると体の細胞にエネルギーであるブドウ糖が十分に補給されず、喉の渇き、多尿、頻尿、倦怠感、体重減少、できものができる、傷が治りにくいといった症状が現れます。また、糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害などさまざまな合併症の原因となり、重度の場合には昏睡状態に陥り生命に危険が及ぶ事もあります。
先天性の1型糖尿病は自己免疫疾患やウイルスなどの原因によって、膵臓機能に支障をきたし発症します。
後天性の2型糖尿病は、加齢と遺伝的要因と食生活(塩分の高い食事)や嗜好(喫煙・飲酒)過多、または運動不足や精神的なストレスなどの環境的要因が重なり発症します。

Ⅰ型糖尿病

Ⅰ型糖尿病は自己免疫やウイルス感染などが原因と推測されていますが、膵臓のインスリンを分泌する細胞が破壊されることによりインスリンが分泌されなくなり糖尿病を発症します。

Ⅱ型糖尿病

Ⅱ型糖尿病は、インスリン分泌量が少なかったり、インスリンの働きが悪くなるためにブドウ糖が補給できず起こますが、加齢と遺伝的要因の他、食生活や運動など生活習慣が関係している場合が多いです。日本の糖尿病のほとんどがⅡ型糖尿病です。

なお、当院では一か月の血糖コントロールの指標であるHbA1cが、その日に結果確認できるため、治療方針を迅速に判断できます。

高尿酸血症

高尿酸血症とは尿酸の血液中に溶解可能な最大濃度である7.0mg/dlを正常上限とし、これを超えるものを高尿酸血症と定義されています。痛風発作はある日突然に始まります。足の親指のつけ根の関節などに起きやすく、耐えられないほどの強烈な痛みとともに、関節が大きく膨れあがります。尿酸値が気になる方、症状がある方は、早めに受診しましょう。

骨粗鬆症

骨折や寝たきりの原因ともなる骨粗鬆症。当院では、レントゲン検査により手骨にて骨塩量を評価します。また、毎年経時的に経過を見ることが出来、適宜治療を行います。なお、骨粗鬆症の診断と治療の指標となる、ビタミンDも当院で測定できます。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群とは、眠っているときに呼吸停止または低呼吸の状態が引き起こされる病気です。睡眠時に症状が現れるという特性上、発症していても自覚していない方が多く、その発症の一因として肥満が挙げられることから、生活習慣病のひとつとして取り上げられています。また、日中の眠気、集中力の低下にとどまらず、トラックや長距離バスの運転手、電車の運転士などがこの病気になると危険であるという認識が広まり、国土交通省を中心に積極的な対策が行われています。睡眠時無呼吸症候群は、日中の活動にさまざまな影響を及ぼすだけでなく、高血圧や心筋梗塞、脳卒中、糖尿病、脂質異常症など他の生活習慣病の発症や悪化につながることも報告されています。